夏の夜空を⾒上げて
2020年7月17日
こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。
コロナウィルス感染防⽌のために、東京オリンピックをはじめ、夏の甲⼦園など様々な恒例イベントが延期や中⽌となった今夏ですが、夏の⾵物詩、花⽕⼤会もその⼀つになってしまいました。
⽇本の打ち上げ花⽕は、戦国時代に発達した銃で使う⽕薬の技術が、平和な江⼾時代になってから娯楽や鑑賞⽤へと⽣かされるようになったと⾔われています。
欧⽶のニュースを⾒ていると、花⽕は主に新年のカウントダウンの歓声と共に打ち上げられていたり、建国記念⽇といったお祝いの⾏事などで上げられているのを⽬にします。⽇本でも遊園地のアトラクションなどでは年中上がっていますが、馴染みのある地域の花⽕⼤会と⾔えば、ほとんどが毎年7⽉下旬から9⽉にかけて上げられているのではないでしょうか。
その理由を探るために⽇本の花⽕⼤会の歴史を紐解くと、娯楽とはまた別の意味をもっていることがわかります。
隅⽥川花⽕⼤会(東京都墨⽥区) は、1733 (享保17) 年、8 代将軍吉宗が⼤飢饉の死者供養と悪病退散を祈って「⽔神祭」を開催し、慰霊のための「施餓⻤」で花⽕を打ち上げたのがその始まり。また、熊野⼤花⽕⼤会(三重県熊野市) は、お盆の供養に花⽕を打ち上げ、その⽕の粉で灯籠を焼いたことがその由来とされています。
このように、⽇本の夏の花⽕は、納涼とともに供養の意味合いが込められています。華やかでありながら、どこか懐かしさや記憶を蘇らせる花⽕。この夏は、夜空に広がる⼤輪を⾒上げる機会は無くなってしまいましたが、⼩さな線⾹花⽕の光の芸術を、ご家族とご先祖様で楽しんではいかがでしょうか。