お彼岸は⽇本独⾃の⾏事と⾔われる理由を考えてみました
2021年2月28日
こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。
まもなく春のお彼岸。私どもでもお彼岸までにお墓を建てたい、法要に備えて戒名彫刻しておきたいというご要望で忙しくなる頃です。
お寺では「彼岸会」とし、法要が⾏われますが、これは平安時代の朝廷ではすでにあり、江⼾時代に庶⺠にも広まったといいます。
「彼岸」は、「⾄彼岸」の略で、サンスクリット語の「パーラミター」に由来し、悟りの世界に⾄ること、またその修⾏を意味しています。
般若⼼経の⼀節にある「波羅蜜多」も同様の意味です。
悟りに⾄るまでの6 つの修⾏(布施、持戒、精進、忍辱、禅定、智慧) を六波羅蜜といい、お彼岸の1週間のうち、6 ⽇はそれぞれの修⾏に費やし、中⽇は先祖に感謝する⽇とされています。
このように、⼀⾒、仏教の意味合いが濃い⾏事に思われますが、他の仏教国にはない⾏事だそうです。
考えられる理由の⼀つには、⽇本は四季の変化がはっきりしているからではないでしょうか。
特に天気に対して鋭敏な感覚を持っていた昔の⼈にとっては、冬から春へ季節が移り変わる境界の⽇は重要な⽇だったのではないかと想像します。
また、農業での作付けや収穫などの⽬安としても重要な⽇でもありました。
そんな⼤切な⽇を家族だけでなく先祖達とも愛おしみたいというのは、⾃然な流れだったのかもしれません。
⽯屋の私も、毎年墓地やお寺の境内で、春彼岸を境に桜の花や新芽の彩りが増えていく⾵景の変化を楽しませて頂いています。
春は様々な旅⽴ちや出会いの季節です。
この春彼岸にはぜひお墓に参られて、新たなスタートや抱負について、ご先祖様に話されてみてはいかがでしょうか。