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彫刻師 中澤茂政さん彫刻師ブログ

100年の時を超えた石の灯台

2022年10月31日

こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。

今日は何の日かな?と調べてみるとたくさんの記念日があることに驚きます。
11 月11 日は、「灯台の日」だそうですよ。「数字の1 を灯台に見立てたから?」と思いきや、1896 年(明治元年)、日本で最初の洋式灯台である「観音埼灯台」(神奈川県横須賀市)の起工日に由来しているそうです。

江戸時代末期、西洋の国々と結ばれた江戸条約の中で、日本各地に灯台を建てる約束が交わされたことに始まり、明治期には約120基の灯台が建てられました。なんとその半数以上の64 基が令和の現在も活躍しています。さらにそのうち40 基近くの灯台が石造(鉄、れんが、コンクリートとの混合構造を含む)です。戦後は鉄骨コンクリート造が増えましたが、明治期には、石は耐久性に優れるとして、産地が近くにある場合は多く使用されていました。

石造の灯台のなかでも、私たち石屋として特にご紹介したいのが、角島灯台(山口県下関市)と男木島(おぎしま)灯台(香川県高松市)です。灯台は目立つようにと、通常は白、もしくは黒、赤との縞模様に塗装されますが、この2 基は無塗装で、石の風合いが生かされています。

しかも、角島灯台は徳山御影石、男木島灯台は庵治石(あじいし)と、どちらも墓石でも使われる、耐久性と美しさを兼ね備えた石で作られています。こうした石造の灯台は、これからも風雨をものともせず、凛とした佇まいで広い海を見守り続けてくれることでしょう。