おはぎは⽇本ならではのスイーツ
2020年8月1日
こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。
⼀年でいちばん暑い季節となりましたが、皆様元気にお過ごしですか?
お盆、お彼岸と続くこの時期、お墓参りをしていただくとご先祖様もきっと喜ばれると思います。もちろん、暑さには気を付けていただいて…。
今⽇は⽯の話題から離れて、「供養の⾷」について書いてみようと思います。
昔からお彼岸の和菓⼦と⾔えば「おはぎ」「ぼたもち」。
どちらも、もち⽶とうるち⽶(ご飯になるお⽶)を混ぜて炊き、つぶしてあんこをつけたものです。
つまりどちらも材料は⼀緒で、春と秋のお彼岸によって呼び⽅が異なります。春に咲く牡丹の花にかけて「ぼたもち」(牡丹餅)、秋に花が咲く萩にかけて「おはぎ」となります。また、花の咲く様から、つぶあんのものをおはぎ、こしあんをぼたもちとしているところが多いようです。(地域性や諸説はあるようです)
「暑さ寒さも彼岸まで」という四季の変化に富んだ、⽇本ならではの⾔葉があります。
そんな⽇のご馳⾛に、昔の忙しい農家では、おもちより簡単に作ることの出来る⾏事⾷として、この「おはぎ」「ぼたもち」が、今のように定着したのかもしれません。
また、あんこの元となる⼩⾖はその⾚⾊から、⾚飯や⼩⾖粥など、お祝いや魔除けに使われる⾷材です。さらに、昔の⼈にとって砂糖といえば、気軽に使うことの出来ない⾼級⾷材だったはずです。
⽇本の古⺠家は「夏仕様」で作られてきたと⾔われるほど、昔の⼈にとっても夏の暑さは1年間の中で特別なものでした。
秋のお彼岸を迎え、暑い⽇々の終わりをご先祖様に感謝しながら味わう、そんな「おはぎ」の⽢味は格別だったのではないでしょうか。
「おはぎ」や「ぼたもち」は⽇本の⾵⼟と供養⼼に根ざした、奥深〜いスイーツ!?と⾔えそうですね。
夏の夜空を⾒上げて
2020年7月17日
こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。
コロナウィルス感染防⽌のために、東京オリンピックをはじめ、夏の甲⼦園など様々な恒例イベントが延期や中⽌となった今夏ですが、夏の⾵物詩、花⽕⼤会もその⼀つになってしまいました。
⽇本の打ち上げ花⽕は、戦国時代に発達した銃で使う⽕薬の技術が、平和な江⼾時代になってから娯楽や鑑賞⽤へと⽣かされるようになったと⾔われています。
欧⽶のニュースを⾒ていると、花⽕は主に新年のカウントダウンの歓声と共に打ち上げられていたり、建国記念⽇といったお祝いの⾏事などで上げられているのを⽬にします。⽇本でも遊園地のアトラクションなどでは年中上がっていますが、馴染みのある地域の花⽕⼤会と⾔えば、ほとんどが毎年7⽉下旬から9⽉にかけて上げられているのではないでしょうか。
その理由を探るために⽇本の花⽕⼤会の歴史を紐解くと、娯楽とはまた別の意味をもっていることがわかります。
隅⽥川花⽕⼤会(東京都墨⽥区) は、1733 (享保17) 年、8 代将軍吉宗が⼤飢饉の死者供養と悪病退散を祈って「⽔神祭」を開催し、慰霊のための「施餓⻤」で花⽕を打ち上げたのがその始まり。また、熊野⼤花⽕⼤会(三重県熊野市) は、お盆の供養に花⽕を打ち上げ、その⽕の粉で灯籠を焼いたことがその由来とされています。
このように、⽇本の夏の花⽕は、納涼とともに供養の意味合いが込められています。華やかでありながら、どこか懐かしさや記憶を蘇らせる花⽕。この夏は、夜空に広がる⼤輪を⾒上げる機会は無くなってしまいましたが、⼩さな線⾹花⽕の光の芸術を、ご家族とご先祖様で楽しんではいかがでしょうか。
今年も雨の季節がやって来ました
2020年6月22日
卒業式、入学式といった、子供たちには大切な折り目となる行事もままならなくなってしまった今年ですが、自然は変わらず四季折々の変化を見せてくれています。春を過ぎた気持ちも薄いままですが、東海地方では6月10日、梅雨入りが発表されました。
平年より2日遅いとのことですが、外出自粛生活を余儀なくされ、平年の季節感が忘れがちになっている方も多いのではないでしょうか。
その点、私ども石屋は毎日のように墓所に出かけますので、季節感には敏感です。特に雨が降ると仕事もストップするので、毎朝天気予報のチェックが欠かせません。石工事では、濡れた石は滑りやすくなって危険ですし、接合用のボンドも効かなくなってしまいます。
このように、気の抜けない梅雨の季節ですが、雨に濡れた石の表情は、また違った魅力があります。しっとりと表面を覆った水が光を反射して、石の表面の凹凸を映し出し、金属やプラスチックのような人工物にはない、豊かな表情を見せてくれます。
緊急事態宣言下のGWは、豊田市内の墓所も例年よりは少なかったのですが、ご家族やお一人でお墓参りに来られている風景が見られました。人と人のつながりが意識される中だからこそ、ご先祖様とのつながりを大切にされている方がいらっしゃることを実感します。
県外移動も緩和された今でも、法事などで、ご先祖を偲ぶために集まるということに躊躇されているご家族も多くいらっしゃるかと思いますが、ご安心ください。ご家族、ご親族が笑顔でお墓参りできるタイミングで、今回の出来事をお墓のご先祖にお話してあげてください。お墓は(そこにいるご先祖も)いつでも、そこにありますから。
※当店では、豊田市内にお墓をお持ちの方の、お参りの代行も承っております。お気軽にお問合せください。