石の神様訪問記② どんがめっさん
2025年5月31日
こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。
播磨灘の沖合にある「家島諸島」は、兵庫県の姫路市内でありながら、本土にはない魅力に溢れています。姫路港から定期船に乗り約30分で家島に到着することができます。
大小44の島々から構成される家島諸島には、4つの有人島(家島・坊勢島(ぼうぜじま)・西島・男鹿島(だんがじま))があり、家島はその中で最も人口の多い島です。

島の中心地にある真浦漁港のすぐそばには「どんがめっさん」と呼ばれる亀の形をした巨石が鎮座しています。大海亀が南波国(今の大阪)に行った主人の帰りを今か今かと待ち続け、そのまま石になってしまったという伝説が残され、今は航海の安全を司る水神として信仰され、家島の人たちから大切にまつられています。
頭を100回なでると願い事が叶うと言われており、家島の人気観光スポットの1つだそう。

ちなみに家島諸島は石材の産地として100年以上の歴史があります。産出した石は大阪城の石垣にも使われました。現在では、神戸空港や関西国際空港などの人工島、漁礁等の造成工事を始め、阪神・淡路大震災の復興工事にも数多く使用されています。
男鹿島では主に「花崗岩」、西島では「安山岩」の採石が行われています。

家島諸島の交通の基本は島から島へ船を乗り継いでゆく、いわゆる“アイランド・ホッピング”。波穏やかな瀬戸内を船で渡る旅は旅情たっぷりです。姫路港からは観光地として有名な小豆島行きのフェリーも出ていますが、姫路港よりわずか30分の家島諸島へも、足を伸ばしてみるのはいかがでしょうか。
石の神様訪問記① カンカン地蔵
2025年4月30日
こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。
江戸情緒を残す町・浅草。見どころは数多くありますが、誰しも1度は訪れるのが「浅草寺」でしょう。東京都台東区に位置する東京最古の寺院であり、多くの観光客が訪れる人気のスポットです。その歴史は1300年以上前に遡り、聖徳太子の開基と伝えられています。

敷地は広く、本堂以外にも様々なお堂が所在しています。
中でも、本堂の裏手という目立たない場所にあるのが銭塚地蔵堂。ここに「カンカン地蔵」と呼ばれる石のお地蔵様がいらっしゃいます。

祠に鎮座しているのは白っぽい石。しかも、所々が丸く凹んでいます。この石がお地蔵様!?と驚きますが、元は大日如来像だったとか。お体を削った粉がお守りになるとされ、日々削られ続けこのようなお姿になったそうです。(現在は“削ること”は禁止されています。)

「カンカン」の名はお参りをするときに、小石でお体を「カンカン」と軽く叩いてお願い事をしていたことに由来しています。塩を奉納して祈願すると金運のご利益があるそう。白い塊になっているお姿を見て、ご自分の身を削ってご利益を与えてこられたのだと思うと、しみじみ感慨深いですね。
聖母マリアの花~マリーゴールド
2025年3月31日
こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。
春の訪れとともに、黄色やオレンジ色の可愛らしい花を咲かせるマリーゴールド。近年では、切り花としても人気が高まっています。太陽を思わせる鮮やかな色合いと、群を抜くもちのよさ、細くてやわらかな花びらがくしゅくしゅと集まるキュートな花形が、愛される秘密なのでしょう。

マリーゴールドの名前の由来は、聖母マリアにあります。聖母マリアの祝日にいつも咲いていることから、「マリア様の黄金の花=マリーゴールド」と呼ばれるようになったそうです。その聖母マリアの祝日ですが、キリスト教の宗派によっては、春から冬にかけて年5~10回もあります。そんなにも長い期間ずっと咲いている、ということは、この花が古くから1年を通じて咲く花として知られ、非常に丈夫な花であることを示すものだと言えるでしょう。

原産国であるメキシコでは、日本でいう「お盆」のような行事である「死者の日」にお墓や祭壇をマリーゴールドで飾ります。「あの世とこの世を結ぶもの、故人の魂が迷わず帰ってこられる道標」の役割を果たすと信じられており、墓地や街中がたくさんのマリーゴールドでオレンジ色に染まります。

また、独特の香りには防虫効果があります。他の植物と一緒に植えることで相乗効果が得られる植物を「コンパニオンプランツ」と呼びまずが、マリーゴールドは虫除け効果でコンパニオンプランツとして活躍しています。
春になるとあちこちで見かけるマリーゴールド。今年は注目してみると面白いですね。
終活シリーズ「遺影に使う写真を撮ろう」
2025年2月28日
こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。
遺影とは、お葬式などで祭壇に飾る故人の写真のこと。亡くなった後、家族が慌てて遺影用の写真を探してもふさわしいものを見つけるのは一苦労ですよね。
小さな頃、仏間で見た集合写真の一部を引き伸ばしたような先祖の遺影は、表情も画質もイマイチだったな…ということで終活の一つとして、生前に遺影を撮影する人が増えています。

以前であれば、生きている間に遺影写真を撮るのは縁起が悪いとされていましたが、近年はこの「終活」という取り組みが浸透してきており、遺影写真を生きている間に撮影してもらうといった考えが広まるようになりました。

にっこり笑った顔や、自分らしいポーズで撮れるのは生前撮影のメリット。写真館でプロに撮影してもらえば、ご自身で納得のいくきれいな写真でお葬式を行ってもらうことができます。
遺影はご自身がこの世を去った後も多くの方の目に留まり、家族や知人の記憶に残る写真になりますから、お気に入りの写真が用意できるといいですね。

「そこまでは…」と躊躇する人は、行事や旅行のときに写真を撮ってもらうよう意識しておくのもひとつの方法。思い出の写真ともなり、家族に喜ばれるはずです。
大事なポイントとして、生前遺影の準備が出来たら、忘れずに写真の保管場所を家族に伝えるようにしておきましょう。終活の一環として用意する場合には、エンディングノートと一緒に保管しておくのもおすすめです。
昔の人を癒した野趣あふれる石風呂
2025年1月31日
こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。
慌ただしい年末年始が過ぎ、ようやく日常の落ち着きを取り戻してきました。大掃除や年越しの準備、そしてお正月のイベントや親戚の集まりなど、予定が詰まっていた方も多かったのではないでしょうか。その一方で、楽しい時間を過ごした分、気がつけば疲れが溜まっているのを実感しますね。
そんな疲れを癒すには、やっぱりお風呂の湯舟に浸かってゆっくりしたいものです。

ところが、歴史をたどると、お風呂は必ずしもお湯に浸かるものではなかったようです。
「風呂」は「ムロ(室)」に由来し、洞窟のような場所で火を焚き、蒸気を発生させて汗を流す、サウナのような蒸し風呂が起源と考えられるとか。それが石の蓄熱性を活かした「石風呂」です。

夏の炎天下で墓石が火傷しそうなくらいに熱くなるのは、皆さんもご存知ですよね。石風呂は瀬戸内、四国、九州に多く、中でも周防の国(山口県)では、鎌倉時代に東大寺の再建を担った重源上人がこの地から木を伐り出す人たちの保養として作ったと伝えられています。防府市の阿弥陀寺では、石風呂や湯屋などが文化財として残る一方、復元された石風呂は今も保存会の方によって月1回火が入れられ、地域の人々の憩いの場となっています。

石風呂は陶芸の薪窯を彷彿とさせる外観で、中で薪を焚くこと4時間。薪が灰になる頃、周囲の石に熱が蓄えられた「石風呂」が完成します。言わば、大きなかまどで火を焚いた後、その中に人が入るようなもので、確かに熱い訳です。熱をじっくり溜めた石によって、室内温度は今流行りのサウナ好きもびっくり!の130度にもなるというから驚きです。

内部は非常に熱いため、肌はなるべく出さず服のまま入ります。それでも熱い場合、毛布をかぶって熱さをしのぐそう。4畳半ほどの広さの床に敷かれたゴザの下にはヨモギなど季節の薬草が敷き詰められ、癒しの香りに包まれます。 石に囲まれた空間は、癒しとともに自然のパワーも得られ、明日への活力に繋がりそうですね。
終活シリーズ「デジタル生前整理」
2024年12月31日
こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。
近頃よく耳にする「終活」。前回は現在の身の回りにあるものを整理していく「生前整理」について取り上げました。今回はスマホやパソコンが普及した近年、特に欠かせなくなっている「デジタル遺品」の生前整理について取り上げます。

パソコンやスマートフォン、SNS、メール、通信販売サイトをはじめ、利用している機器やサービス、そのパスワードを把握しておくことは、デジタル生前整理において大変重要です。ますは、エンディングノートに「サービス名」「アカウントID」「ログインに必要な登録メールアドレス」「パスワード」などをリストアップしておきましょう。併せて解約方法なども記してあるといいですね。

1,パソコンやスマートフォン、携帯電話
機器に保存してある画像やデータ、メールの履歴などは不要なものは削除しておきましょう。残ったデータは「見られてもよいもの」「見られたくないもの」に分類し、「見られたくないもの」にはしっかりとパスワードをかけ、死後は削除してもらいましょう。
2,ネット銀行、ネット証券、仮想通貨など
銀行や証券口座は相続の問題にもつながるため、必ず遺族に分かるようにしておきましょう。銀行口座は名義人が死去すると、法律により口座は凍結され、解約や預金の引き出しは家族が行うことになります。しかし、ネット銀行やネット証券は有形の通帳などがないため、遺族でもいくつの口座を開設しているのか分からないことが多くあります。予めあまり使わない口座は解約しておくこともおすすめします。
3,オンライン決済のサービス
Wi-Fiや見放題、読み放題などの定額サービスは、手軽で利便性も高いため、現在では多くの人が契約していることでしょう。サービスの規約にもよりますが、これらの月額料金は解約をしない限り支払いが止まらない仕組みになっています。忘れずにリストアップし、一覧にしておきましょう。
4,SNSやブログ
フェイスブックやインスタグラム、Xやラインなど、様々なSNSがあります。死後はアカウントを削除してもらうなど、アカウントやパスワードと共に希望を記しておきましょう。※追悼アカウントとして残せるSNSもある。

デジタル関連は具体的なモノがないだけに、容易に把握できません。残された家族が困らないようにきちんと整理しておきましょう。
難を転じる縁起物「南天」
2024年11月30日
こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。
実りの秋、さまざまな植物が果実をつけますが、秋から冬にかけては、近所のお庭や公園でいろいろな赤い実を見かける機会が増えます。その中でも、11月以降の寒くなってから見かけるポピュラーな赤い実に「南天(なんてん)」があります。

南天は、平安時代に薬用、観賞用として中国から伝来しました。「難を転ずる」の語呂から縁起のいいものとされ、戦国時代には、妊婦が安産を祈願して床の下に敷いたり、武士が出陣の前に床に挿して勝利を祈願したとか。
また、正月の掛け軸には水仙と南天を描いた「天仙図」が縁起ものとして好まれたようです。江戸時代になると、南天はますます縁起木として尊ばれるようになり、厄除け・魔除けとしてどこの家にも植えられるようになりました。

漢方では、咳止め効果の高い生薬として古くから利用されており、現代ではのど飴などにも使われているのは有名な話ですね。
お祝い事で食べるお赤飯に南天の葉を添える習わしは、単に彩りや縁起物としてだけではなく、葉に解毒作用や殺菌・防腐作用があることから取り入れられた先人の知恵です。

今でも縁起物や厄除けとしてお正月飾りに使われたり、松や竹とともにお正月の生け花として玄関や床の間に飾られたりする南天。お正月には忘れずに飾り、難を転じて、福を呼び込みたいですね。
伊東忠太の建築に棲まう動物たち
2024年10月31日
こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。
行動や好奇心が活発になる秋になりました。今回は芸術の秋にちなみ、11月生まれの建築家・伊東忠太について紹介します。
生まれは、江戸末期の1867(慶応3)年。明治、大正、昭和にかけ、建築史家、建築家として活躍しました。

ご存知でない方でも、代表作の「築地本願寺」については知っている方も多いのではないでしょうか。
日本のお寺の外観とは大分雰囲気の違う、ドームがついた特徴的な外観が印象的なこのお寺は、インドの古式仏教建築を元にした意匠をもち、今でも異彩を放っています。ほかにも湯島聖堂、大倉集古館、一橋大学兼松講堂など、多くの建築物を手がけています。

その様式は、日本の伝統的建築、西洋風、インド風まで様々ですが、共通点を挙げると、建物の内外に動物や幻獣たちを棲まわせていること。忠太は幼い頃から妖怪好きで、中国やインドを旅した際にも建物に飾られた幻獣たちに惹かれていたといい、「妖怪研究」という著書があるほどです。

幻獣たちの多くは石造りで、当時の石工が担ったものでしょう。翼のついた獅子といった、不思議な生き物たちが描かれた図面に、石工たちはさぞ戸惑ったのではないでしょうか。彼らが試行錯誤しながら、つくり出していく様子が目に浮かびます。
伊東忠太の想像力や石工たちの技術力を伝える幻獣たちを、今も間近に見て触れることができるのも、石像ならではの魅力ですね。
終活シリーズ「生前整理のススメ」
2024年9月30日
こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。
10数年ほど前から、よく耳にする言葉となった「終活」。前回は残された家族・親族に負担をかけないように準備をする活動の一つとして、「エンディングノート」について取り上げました。今回は、現在の身の回りにあるものを整理していく、「生前整理」について取り上げます。

「生前整理」とは、元気なうちに自分の持ち物を整理しておくこと。物にあふれた故人の部屋や家を片づけるのはとても大変な作業です。整理が済んでいれば、家族や身近な人の負担を減らすことになりますよ。
まずは本やCD、衣服、日記、写真などの身の回りの物について取り掛かりましょう。すでに不要なものは処分。それ以外のものは、「死後に処分」「死後に誰かに譲る」に分類しておきます。家族に協力と理解を得ながら整理できれば、なお良いですね。

もっとも大きな整理と言えば…財産の整理です。
まずは、エンディングノートの回でも触れたように、不動産や預貯金、生命保険や貴金属などの財産を把握し、ノートなどに記録しておきましょう。そのうえで「一部を寄付したい」等、希望がある場合は遺言書を作成しておくと安心です。

自分で書くこともできますが、書き方は法律で定められているので専門家に依頼するのをおススメします。上に挙げたように、専門分野は様々ですので、目的に合うところを選びましょう。
終活シリーズ「エンディングノート」
2024年8月31日
こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。
「終活」という言葉が広く聞かれるようになりました。その背景には、人生の最期は自分の望むように迎えたい、周囲に迷惑をかけないようにしたいと考える人が増えていることがあるのでしょう。
「終活」の一つとして、今回は「エンディングノート」について取り上げます。

「エンディングノート」とは、人生の最期を迎えるにあたり自分の希望を記しておくものです。 たとえば延命治療についての考え、葬儀形態の希望(呼んでほしい人のリスト)、財産の明記(所有している土地や家屋、口座名や通帳と印鑑の場所)など、家族が落ち着いて供養の場を設けられるような情報を主に記載しておきましょう。

ただ、法的に有効とされる「遺言書」とは違いますのでご注意を。相続に関わることなど、将来の家族関係に大きく影響しそうな事柄については、エンディングノートには残さず、法的な手続きを踏んだ「遺言書」に記しましょう。

ノートは書いて終わりではなく、役立ててもらうことが目的です。いざというときに読んでもらえるように、信頼できる人に保管場所を伝えることも忘れずに。加えて、自分の考えを、折りに触れ周囲に話しておくとよいでしょう。そうすれば、ご自分の亡き後に残されたノートの内容も伝わりやすいですよ。

