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彫刻師 中澤茂政さん彫刻師ブログ

巨⼤な岩⼭に刻まれた4⼈の⼤統領

2021年1月30日

こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。
⻑い冬をすごし、梅の花も咲きはじめると、いっそう春が待ち遠しく思えてきます。
2⽉11⽇は⽇本では建国記念⽇ですが、アメリカでは2⽉の第3⽉曜⽇にプレジデント・デーという記念⽇があります。
もとは2⽉22⽇に、初代⼤統領であるジョージ・ワシントンの誕⽣⽇と、奴隷解放宣⾔をした第16代⼤統領であるアブラハム・リンカーンの誕⽣⽇(2⽉12⽇)を祝っていたのが、1971年に歴代の⼤統領を祝う⽇となったそうです。

今年のプレジデント・デーは、1⽉にジョー・バイデン⽒が新⼤統領に就任したことで、⽇本でも関⼼を集めるニュースになるかもしれませんね。

さて、この⼆⼈に、第16代⼤統領トーマス・ジェファーソン、第26代⼤統領セオドア・ルーズベルトが加わった4⼈の⼤統領の顔が巨⼤な⼭に刻まれているのが、サウス・ダコダ州にあるラシュモア⼭国⽴記念公園です。

テレビなどでも⾒たことがある⼈は多いのではないでしょうか。

工期は1927年〜1941年に渡る14年間。

彫刻家ガッツォン・ボーグラム(1867〜1941)による指揮によって、⾵化せず、⻑きに残るようにと花崗岩でできたこの⼭が選ばれました。
花崗岩は私ども⽯屋にとってはなじみの⽯で、お墓の他にも⽯垣や⿃居などに使われています。とても硬い⽯なので、私達は⼯場や専⽤の機械を使って加⼯しています。
しかし、ここでの相⼿は巨⼤な岩⼭、ということで、最初はダイナマイトで不要な部分を吹き⾶ばしながら⼤まかに形をつくったとのことですから何ともダイナミック。それでも、最後は⼭の上からぶら下げられたブランコのようなものに座った職⼈達がノミと⾦槌で仕上げたという、その完成度の⾼さにも驚きです。

仏教国では岩壁に仏の姿を彫った磨崖仏がありますが、実在の複数の⼈物が、それも近代に⼊ってから作られた例というのは、ちょっと⾒当たりません。アメリカにおける⼤統領という存在の特別さが感じられますね。