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彫刻師 中澤茂政さん彫刻師ブログ

大仏様について

2021年10月30日

こんにちは。愛知県豊田市の中澤⽯材店です。

コロナ禍で修学旅行が中止になったというニュースが多く聞かれますが、「修学旅行」という言葉を聞いて、ご自身の子供の時の思い出が蘇る方も多いのではないでしょうか。修学旅行では、関西では京都や奈良、関東では鎌倉など、古寺の見学が一つは組み込まれていませんでしたか? 当時はなかなか興味が持てなかったかもしれませんが、蘇ってきた思い出と共に、大仏様の正体についておさらいしてみましょう。

大仏は、その名の通り大きな仏様のことで、種類には如来や菩薩像があります。
その中でも東大寺の大仏の毘盧舎那如来(びるしゃなにょらい)、鎌倉(長谷寺)の大仏は阿弥陀如来など、代表的な大仏といえばいずれも如来像です。ちなみに、奈良の毘盧遮那如来は、太陽の光がどんなところにもあまねく届くように、宇宙全体を統一する最高の仏とされ、密教における「大日如来」と同一とされています。
この如来という名前は「悟りを開いた者」という意味で、仏の中では最高位に位置しています。心理に目覚め、悟りを開いた仏とされているからです。外見的な特徴としては、一般的に薄い衣一枚で、装身具も身に着けないことがほとんどです。これは、如来を目指して、様々な格好で手に道具を持って修行されている菩薩、明王、天部の神様とは対象的なお姿です。

大仏様(如来)の一番特徴的な部分として、その髪型を挙げる方は多いのではないでしょうか。
この大仏様たちの頭には丸い粒々がぎっしりと並べられ、短い髪がカールしている様子を表しています。この髪形は巻貝にたとえて「螺髪(らほつ)」とよばれ、お釈迦様が出家したときに髪を短く切り、残った髪が右回りに巻いたことからきています。

このように、体の毛が全て上を向いていることを毛上向相(もうじょうこうそう)といい、菩提心や向上心があることを表わしているそうです。仏の中の最高位となられても、如来は内面に熱い想いをみなぎらせておられるのですね。